飲食シーンのメイン食材の一つである魚介。世界各国のグルメが集まり、創作料理も他国の追随を許さない現代日本において、刺身に辛口、煮魚に醇酒、干物に熟成燗酒だけでは、あまりに当たり前で色気がありません。料理のプロである飲食店様へのご提案するうえで、毎回頭を悩ませているのがこの魚介と日本酒とのペアリングでした。「魚介を使った和洋中、はたまた多国籍料理まで合わせられるお酒はないものか」 解決するには、プロに聞こう。真っ先に浮かんだのが酒造りのプロで御縁が深くて情熱溢れる武勇酒造の製麹士、高橋寛氏。そして、武勇さんの卓越した醸造技術だからこそできた、ダイナミックかつ精密な仕上がりです。

江戸末期の慶応3年創業の老舗蔵。代表銘柄「武勇」は、鎌倉以来の城下町であった茨城県結城市の街並みに、“坂東武者”と呼ばれた関東の武士の気概を感じ、名付けたそうです。素朴で個性豊か、食中向きな味わいが特長です。

酒造りは手造りにこだわり和釜や木造の麹室、麹箱や麹蓋による丁寧な麹造り、酒母は生酛や山廃造りも取り入れており個性豊かな酒質を目指しています。近年は冷蔵酒が増えたこともあり、品質管理は冷蔵庫を複数増設し品質を安定させています。

伝統を守りつつ、創意工夫に満ちた酒造りの思想を貫く。地酒の個性をそのまま活かし、若い方にも親しんでもらえるような、新しい味わいのラインナップを充実させていく。その一環として取り組んだ八百万ノ魚専用はまさに、「武勇らしくないけど武勇だ」と感じさせるお酒になっています。
また、地域に根付く企業として地域の小学生を対象にした見学や甘酒造りの体験などを行っています。

『八百万の魚専用は柴田屋様希望の魚に合う日本酒をコンセプトに、武勇の持つ個性も表現するため、原料、生酛仕込みなどこだわり抜いたお酒です。武勇らしさ、生酛による個性を表現しながらも従来のラインナップに似ない味、尚且つ綺麗で魚介や幅広い料理に合う味を追求。企画から酒質の設計が難しさの一つでした。是非、魚と合わせてご賞味ください。』（麹屋 高橋寛）