創業明治12年(1879年)。昭和31年(1956年)、三代目蔵元の強い想い「旨き良き酒」をもとに独自開発した高温山廃仕込み。
以来、60年以上の永きに亘り頑なに取組み続けてきた自然醸造。この自然醸造による旨き良き酒をモットーに、味わい深くキレのある、酔い覚め爽快な食中酒です。
定番酒は是非お燗をお試し下さい。また多酸酒のアフスや長期熟成酒の古今なども様々な食材と合わせてお召し上がり下さい。チーズやバター、オリーブオイル、ショコラなど、今までにはなかった日本酒の楽しみ方が発見できると思います。
以前より訪問を熱望しておりました千葉県・木戸泉酒造様に訪問をしてまいりました。なぜ、熱望していたかと申しますと、私倉重は、「国酒から国際酒へ」をテーマに、日本酒や本格焼酎、泡盛といった和酒の文化・歴史・おいしさを正しく発信するプロフェッショナルを育成するジャパン・サケ・アソシエーション(JSA)が実施している資格「サケ・エキスパート」の取得者なのですが、そのJSA主催「サケ・アカデミーサマースクール」を受講した際に、実際に木戸泉酒造様の独特の酒母造り『高温山廃酛(もと)』を学びました。その高温山廃酛を、自分の目で見てみたいというのがその理由です。
見学させていいただいた体験を総括すると、「やさしさ」という言葉にたどり着きました。
「人にやさしく」・・・山廃という自然の造りで、体に対するダメージが少ないお酒。
「お酒にやさしく」・・・最初55度という高温で仕込みつつ、だんだんと菌が繁殖できる温度にしていくことで、無理のない発酵が促される。
「経済的にやさしく」・・・お酒になる還元比率がとても高い(お酒がいっぱいとれる)。粕歩合20%ほどだそうです。
話を聞けば聞くほど、五代目蔵元兼杜氏の荘司勇人氏の人柄もあいまって、その酒質のやさしさが際立っていました。「高温山廃酛(もと)」と聞くと、一見難しそうな印象を受けますが、なんのなんの、このやさしい酒質にたどり着くために逆算すると、自ずとこの酒母に行き着くというまったく自然の流れで、すんなりと説明が心に落ちて分かりやすいです。百聞は一見に如かず、というやつですね。
実際に木戸泉酒造様にお邪魔すると、色々とアイデアがわいてきます。まずはその近さです。東京駅を9時に出発すると、10時15分にはもう蔵の最寄り駅、そこから歩いて10分以内には到着できてしまいます。これだけ近いところに、こだわりの造りをしている蔵がある。なんて良い環境なのでしょう。東京駅集合でも、現地集合でも、今後是非、お店様やそのお客様と一緒に見学したいと思います。
また、試飲もさせていただいたのですが、その多彩な飲み口に驚きます。幅広い味わいはコース料理にあうとイメージでき、“レストランさんでコースにあわせた「蔵元を囲む会」なんて素敵だなぁ”と思ってしまいました。共感いただけましたら是非とも実現したいです。